催眠のお師匠さんの技
私が催眠のお師匠さんのところにたどり着いたのは、精神科クリニックでカウンセリングの仕事をやっていて「学生時代に勉強したことだけでは、治療は難しい」と感じたから。
学生時代から催眠に興味があって、そして本屋さんに行ったら催眠のお師匠さんの「現代催眠入門」が見つかって「これだ!」と思って私はお師匠さんのところに電話をした。そして、講座を申し込んだら「あれ?なんじゃこの建物は!」でびっくりしちゃう。お師匠さんはすごい立派なビルの一角で仕事をしているのかな?と思っていたら「これって普通の団地みたいな場所ですけど」でがっかりする。ドアを開けて「あれ?サラリーマンのおじさんみたいな人がいる」と思っていたら、それが催眠のお師匠さんで「うわ〜!全然イメージと違う〜!」でさらにショック。極め付けが、催眠の講座のメンバーの自己紹介が始まった時に「うわ〜!専門家の現場で働いているのは私だけじゃない!」で周りはみんな一般の方だった。
私は「劣等感だらけである」と言いながらもGABA受容体がダウンレギュレーションを起こしているから、同時に「優越感」もものすごく興奮しているから「人に対するダメ出しが止まらない!」とか「人を気付かないうちに見下している」になっていたのよね。だから、催眠の講座の参加者の方を見て「みんな素人さんじゃん!」で私はがっかりしてしまった。もし、そこに専門家の方が二、三人いたら、私は「劣等感」で萎縮して何もできなくなってしまうのに。
催眠のお師匠さんは、自己紹介の順番が私に回ってきた時に「大嶋さんはね、こう見えて苦労人なんですよ!」と喋り始めた。「お〜い!なんで先生が私のことを語る〜!」と心の中でツッコミを入れていたが、次の瞬間にフッと先生の意図が見えた気がした。
催眠のお師匠さんは「大嶋さんはね、こう見えて5人の子供を育てているんですよ」と真面目な顔をして催眠口調で語り始める。「そして、大嶋さんはものすごい苦労をされていて、今回催眠の勉強をしにこられたんです」とお話しになって、私も先生に合わせて「うん、うん」とうなづいていた。
これは「無意識さんの力で無敵に生きる」(青山ライフ)にも書いているエピソードです。
講座の参加者のメンバーの中に若い女性が何人かいらっしゃったので、「大嶋は絶対に男女関係の問題を起こす」から「5人の子供がいる」と言う設定にした、と瞬間的にお師匠さんの意図をそんなふうに推測した。
でも、お師匠さんは、この「5人の子供がいる」のナラティブを私に使うことで、私のGABA受容体のダウンレギュレーションを修復して「優越感」を選択できるようにしてくださったんです。
なぜなら私は「5人の子供がいるという設定は楽しい!」と悪徳の快楽をその瞬間に感じてしまった。もちろんお師匠さんと話を合わせたその瞬間に「一体感」を感じた時にも「気持ちいい!」を感じたのでGABA受容体が修復されて「気持ちがいい!」を自動的に選択できるようになった。
そう、もし、お師匠さんが私の自己紹介の時にあのナラティブを入れていなければ「劣等感」と「優越感」の両方が興奮してしまっているので「なんで私がこんな素人さんの集まりに参加しなきゃいけないんだ!」と“不快”を感じてしまって「すみません、この講座はちょっとやめさせていただきます」と断っていたでしょう。
実際に自己紹介の時に「どうやってこの講座を断ろう」とずっと考えていたから。
「5人の子供持ちで苦労人」という設定は楽しい!になった時にGABA受容体が修復されて「あれ?この講座面白いかも!」となって「優越感」という気持ちよさを選択できるようになります。
GABA受容体が修復されて「優越感」を選択すると、「優越感って人と比較することじゃないんだ〜!」ということがわかります。
「私って結構できるじゃん!」って楽しくなる感じ。
そして、楽しくなってくれば来るほど「どんどん職場で実践して使っている私」ということで優越感を感じていくと、さらに催眠の技が磨かれていく。
人のことを見下しているのが優越感だと思っていたけど、それは違っていてGABA受容体が壊れて「劣等感」と「優越感」の両方が興奮しておかしなことになっていただけなんだ、ということが体感することができた。すると、古ぼけたマンションの一室に催眠を習いに通うことも楽しくなって、さらには「ただのおっさん」と言っていた催眠のお師匠さんと出会えたことが誇りに思えてくる。
「このお師匠さんを見つけた私ってすごい!」って優越感があるから。あの、お師匠さんの「5人の子供がいる苦労人」という1発のナラティブで私のGABA受容体が修復されて、優越感の本当の喜びを感じることができた。