やる気ブレーキの正体
「やる気ブレーキ」という概念を知ってから、ずっとモヤモヤしていたことに気がついた気がしています。
頑張りたいのに動けない、褒められると苦しくなる、人といると疲れる、チャンスが目の前に来たのになぜか逃してしまう。 そして後になって「なんであんなことしたんだろう……」と後悔する。
これ、意志が弱いわけでも、やる気がないわけでもなかったんです。 「やる気ブレーキ」がかかっていただけだった、ということが少しずつ見えてきました。
やる気ブレーキとは何かというと、「いいこと(報酬)」に対して「嫌なこと(罰)」がくっついている状態のことです。
褒められると恥ずかしくなる、仲良くなると傷つく、成功すると叩かれる、という感じで。 こうなると脳は「進む=危険」と判断して、そこでピタッと止まってしまうのよね。
このやる気ブレーキ、実は3つの回路で起きているということに気づきました。
一つ目が「一体感ブレーキ」です。
人の顔色が気になる、グループに入れない、会話がぎこちなくなる。 これは「人とつながる=危険」という回路になってしまっている状態です。
本来「一体感」は気持ちいいはずなのに、ブレーキがかかると「一体感=怖い」になってしまう。 そこで「一体感」という言葉を唱えてみる。
これ、人と仲良くなるために唱えるんじゃなくて、脳を整えるために唱えるのがポイントです。 すると不思議なことに、人に無理に合わせようとしなくても、自然に馴染めるようになってくるんですよね。
二つ目が「優越感ブレーキ」です。
人の評価が気になって、自信が持てなくて、褒められるたびに苦しくなる。 これは「自分を認める=危険」という状態。
「調子に乗るな!」「目立ったら叩かれるぞ!」という声が内側から聞こえてきて、自己評価のニューロンが興奮できなくなってしまっているんです。 そこで「優越感」を唱えてみると(前の記事で詳しく書きましたが)、人と比べなくても「ありのままの自分でいい」という感覚が戻ってきます。 優越感というのは人を見下すことじゃなかったんだ、ということがだんだんわかってきます。
三つ目が「悪徳の快楽ブレーキ」です。
これが一番衝撃でした。 後回しにする、ダメだとわかっているのにやってしまう、同じ失敗を繰り返す。 怒られる、裏切られる、失敗する。 本来は避けるはずなのに、なぜか繰り返してしまう。
これ、「罰が快感になっている」状態だったんです(ヒェ〜!)。 そこで「悪徳の快楽」を唱えてみると「期待を裏切ってやる!」というちょっと悪い気持ちが生まれてきて、不思議とやらなかったことがやれるようになってくる。行動が逆転するんです。
この3つのブレーキに共通しているのは、GABAという脳内の抑制物質が弱くなっている、ということです。
GABAがちゃんと働いていないと、同時にいろんな感情が動いて、選べなくなって、動けなくなってしまう。
人が怖い、自信がない、行動できない、というのは全部つながっているのよね。 でも、ここに希望があります。人間には「言葉」があるから。
「一体感」「優越感」「悪徳の快楽」という言葉は、脳を整えるスイッチのようなもの。
人が怖いと感じたら「一体感」、自信がないと感じたら「優越感」、動けないと感じたら「悪徳の快楽」。 状況に応じてこれを唱えていくと、自然に人とつながれるようになって、自分を認められるようになって、行動できるようになってくる。
あなたがダメだったわけじゃない。 ブレーキがかかっていただけです。 そしてそのブレーキは、外せます。
人生がうまくいかなかった理由は、能力ではなく「ブレーキ」だった。 その鍵は意外なほどシンプルで、「一体感」「優越感」「悪徳の快楽」という三つの言葉の中にあったのです。
そして唱え続けていくうちに、私たちは本来の自分へ、少しずつ戻っていきます。