「私が本当に大切にしているものは何?」――セルフネグレクトから抜け出すための問い
こんにちは。
今日は、「セルフネグレクトから抜け出すための一つの問い」について書いてみたいと思います。
それは、とてもシンプルな問いです。
「私が本当に大切にしているものは何?」
この問いが、実はセルフネグレクトから回復するための大きなヒントになるのではないかと思っています。
久しぶりに会った友人との食事
先日、学生時代の友人と久しぶりに食事をしました。
せっかく美味しいお店に来たのだから、
近況や最近楽しかったことなどを話すのかなと思っていたのですが、
彼はずっと学校の生徒の話をしていました。
「宿題をやってこない。」
「親がモンスターなんだ。」
「本当に困っている。」
そんな話が延々と続きます。
私は心の中で、
「いや、その話を私が聞いてどうするんだろう。」
と思ってしまいました。
「もっと自分の話をすればいいのに。」
そんなことを感じながら聞いていました。
でも、きっと彼にも理由がある
帰り道になって、
ふと気づいたことがありました。
彼はきっと、
私が心理の仕事をしていることを知っているから、
相談したかったのかもしれない。
「話を聞いてほしい。」
「何かヒントがほしい。」
そう思っていたのかもしれません。
一方の私は、
「久しぶりなんだから、お互いの近況を楽しく話したい。」
と思っていました。
お互い悪気はありません。
でも、
大切にしているものが違っていた。
ただそれだけなのです。
『賢者の贈り物』が教えてくれること
私は賢者の贈り物が大好きです。
夫は懐中時計を持っています。
でも鎖がありません。
妻は美しい長い髪を持っています。
でも櫛がありません。
そこで夫は時計を売って櫛を買い、
妻は髪を売って時計の鎖を買います。
とても切ない物語ですが、
私はこの話を読むたびに、
「人は、それぞれ違うものを大切にしている」
ということを思い出します。
相手が大切にしているものは、本当にはわからない
私たちはつい、
「きっとこれが喜ぶだろう。」
「これを求めているはず。」
と考えます。
でも、
本当にその人が大切にしているものは、
本人にしかわからないのです。
表面的にはわかった気になっても、
心の奥底にある「宝物」は、
外からは見えません。
セルフネグレクトは、ここから始まる
セルフネグレクトになると、
自分が何を大切にしているかよりも、
相手が何を求めているかばかり考えるようになります。
「相手が喜ぶことをしよう。」
「相手が困らないようにしよう。」
「相手が傷つかないようにしよう。」
それ自体は悪いことではありません。
でも、
その繰り返しの中で、
自分が本当に大切にしているものを見失ってしまうことがあります。
すると、
「こんなに頑張っているのに。」
「どうしてわかってくれないの。」
という怒りが生まれます。
でも、その怒りは、
相手が悪いからではなく、
自分の宝物を、自分自身が後回しにしていたことへの悲しみなのかもしれません。
自分に問いかけてみる
だから私は最近、
こんな問いを心に投げかけています。
「私が本当に大切にしているものは何?」
最初は何も浮かびません。
でも、
静かに問い続けていると、
ある瞬間、
「ああ、これなんだ。」
という感覚がやってきます。
そして思うのです。
「これは誰にもわからないな。」
たとえ家族でも、
友人でも、
長年一緒にいる人でも、
私の心の一番大切なものは、
私自身しか知らないのだと。
自分の宝物は、自分で守る
セルフネグレクトをしていると、
私たちは、
「誰かが気づいてくれるはず。」
「誰かが大切にしてくれるはず。」
と期待してしまいます。
でも、
本当に大切なものは、
まず自分が知り、
自分が守るしかありません。
「私が本当に大切にしているものは何?」
その問いを持つことは、
自分の心ともう一度つながり直すことなのだと思います。
セルフネグレクトから回復するとは、
誰かに大切にされることを待つのではなく、
自分自身が、自分の一番大切なものを知り、大切にしてあげること。
その小さな積み重ねが、
少しずつ本来の自分を取り戻していく道なのではないかと、私は感じています。