人の好意を受け取れない――セルフネグレクトが教えてくれた「本当に大切なもの」
今日は、「人の好意を受け取れない」というテーマについて書いてみたいと思います。
実は、これは私自身が何度も経験してきたことです。
◇ 誕生日会なのに主役になれなかった私
昔、職場の仲間が私の誕生日会を開いてくれたことがありました。
食事も終わり、
「さあ、二次会に行こう!」
という流れになりました。
タクシーを呼んでくれたのですが、人数の関係で全員は乗れません。
そこで私は、
「いいよ、みんな先に乗って行って。僕は歩いて行くから。」
と言いました。
すると、一人の同僚が突然怒り出しました。
「お前、そういうところが嫌なんだよ!」
酔っていたこともありますが、その言葉は私にとって大きな衝撃でした。
「私は何を間違えたんだろう。」
「やっぱり私は偽善者なのか。」
そんなふうに落ち込みました。
◇ 本当に問題だったのは「偽善」ではなかった
今振り返ると、
問題は偽善だったかどうかではありません。
私は、
「主役になってはいけない」
と思っていたのです。
誰かに大切にされること。
優先されること。
喜んでもらうこと。
それを素直に受け取れなかった。
だから、
せっかく用意してもらった好意を、
自分で遠ざけてしまったのです。
◇ なぜ受け取れなかったのか
思い返してみると、
子どもの頃、
私は「自分が優先される」という経験がほとんどありませんでした。
誰かと比べられ、
「○○ちゃんはできるのに。」
「あなたはどうしてできないの。」
そんな言葉を何度も聞いてきました。
褒められても、
最後には必ず否定がついてくる。
だから、
「私は大切にされる存在ではない。」
そんな感覚が、いつの間にか心の中に根づいていました。
それがセルフネグレクトだったのだと思います。
◇「私が大切にしているものは何?」
最近、私はよく自分に問いかけています。
「私が本当に大切にしているものは何?」
この問いを続けていると、
少しずつ見えてくるものがあります。
そして気づいたのです。
私は、
その大切なものを、誰かと分かち合いたかった。
ただ、それだけだったのです。
認められたい。
評価されたい。
人気者になりたい。
本当に求めていたのは、それではありませんでした。
自分が心から大切だと思うものを、
一緒に大切だと感じてくれる人と共有したかった。
それが私の願いだったのです。
◇ 距離感が自然と変わる
このことに気づくと、
人との付き合い方が変わってきます。
誰にでも好かれようとしなくなります。
無理をして期待に応えようともしなくなります。
代わりに、
自分が本当に大切にしているものを共有できる人とは、
自然と近づいていきます。
逆に、
そこが重ならない人とは、
無理に距離を縮めようとは思わなくなります。
それは相手を嫌うということではありません。
ただ、
自分の軸で人との距離を決められるようになるということです。
◇ 好意を受け取れるようになる
不思議なのは、
そうやって自分の大切なものがはっきりしてくると、
人の好意も少しずつ受け取れるようになることです。
「ありがとう。」
その一言が以前より自然に言えるようになります。
無理に謙遜したり、
遠慮したり、
自分を引っ込めたりしなくなるのです。
◇ セルフネグレクトから抜け出すということ
セルフネグレクトから回復するというのは、
自信満々になることでも、
誰からも愛されることでもありません。
それは、
自分が本当に大切にしているものを、自分自身が大切にすることです。
その軸が育ってくると、
人との距離も自然に整い、
好意も素直に受け取れるようになります。
そして、自分が大切にしているものを分かち合える人との出会いが、何よりの喜びになっていくのではないかと、私は感じています。