「お金がない」と言われ続けた子どもたちへ ――貧困妄想とギフテッドの心の仕組み
私は職場の窓から工事現場を眺めながら「私もいずれあそこで肉体労働をするのかな」と働いている場面を想像してしまいます。「肉体労働に私は耐えることができるのかな?」とか「工事現場での人間関係は大丈夫なのかな?」などそこで働いていることを想像します(多分、今は私の職能がないから工事現場で雇ってもらえないな〜)。
朝、散歩をしていて、公園で生活をしている人を見かけると「あぁ、いつか私はここで生活するのかな?」と想像してしまう。虫刺されとか苦手なのにな〜、って公園で寝ている時に虫に刺されて寝れなくなることを考えてしまう。私がそこで生活をしていてお巡りさんに注意される場面が浮かんできてしまう。
なんでそんなことを想像してしまうのかというと「お金がな〜い!」と思っているから(確かに貯金はない!)。「お金がない」という不安が常に私の中にあって「このままの私ではどんどん貧しくなってしまう」って怖くなることがあるんです。
専門家が私の話を聞いたら「はい!あなたは貧困妄想です」と診断します。
貧困妄想って「自分が貧しい」って思い込んでしまう妄想でうつ病の症状の一つになります。
だったら私はうつ病なのか?というと、まあ、確かにその傾向はありますけど、この「お金がない」とか「全てを失って貧しくなる」って子供の頃からずっとありました。
それは私が貧しい家庭で育ったから、というのもあるのですが、常に母親から「お金がない、お金がない」と言われ続けてきたから。親戚のおじさんがラジオ付きの目覚まし時計を入学祝いにプレゼントしくれて、喜んでラジオを聴いていたら、いつの間にか電池がなくなってしまった。母親に「おじさんからもらったラジオの電池がなくなったので買って欲しいんだけど」とお願いしたら「うちにはそんなお金はない!」と言われてしまう。
いつも、そんな調子で「必要なものがある」と言っても「お金がない!」と言われて、お金を出すのをしぶられる。「あんたは無駄遣いばかりして」と言われて「確かに、勉強もしない私のために親は無駄にお金を使っている」と思っていたので、私の存在自体が無駄という感じでした。
存在しているだけで無駄な私は、いつか全てを失って路頭に迷う、って子供もの頃から思っていて、いつも自分が落ちぶれていく想像ばかりしてしまうんです。
この仕事をするようになって、ギフテッドの人たちの話を聞いていると「あれ?私と同じだ!」ってびっくりしちゃう。知能の高低差がある親から「お金がない!」と言われ続けていて「あれ?チャンスを全部潰されてしまっている!」ってなっていた。「うちにはお金がない」と言われ続けていると「勉強している意味がない」となってしまうのは、それによってうつ状態にされてしまうから。
自分が才能を発揮してお金を稼ぐことなんて考えられなくなってしまうのは「うちにはお金がない」を連発されて万年うつ状態にされてしまうから。
万年うつ状態だから「最悪なことしか考えられない」ってなってしまう。私も「最悪なことしか考えられないんだったら、最悪に備えて貯金をすればいいじゃない!」と言われるのですが「お金がない」でうつ状態に入れられている私はそれすらできない。私の場合は、私がお金を持っている価値がない感覚になってしまう(そりゃ、子供の頃から「無駄遣い」って言われ続けてますからね)。
「お金がない」でうつ状態にしてギフテッドの子達の能力を封印し、親との知能の高低差を埋めることができちゃうのよね(全てナラティブで書いています)。そしてギフテッドの人たちは、うつ状態になって最悪なことしか想定できなくて「希望が全く見えない」となってしまうわけです。
そんな時に私は「そこに美しさを見出す」と唱えてみます。すると「貧しさの中に美しさがある」なんて高尚なことは出てこなくて「お金を貯めるのは美しいかも」って思えるから不思議です。
「お金がない」と思ったら「そこに美しさを見出す」を唱えてみると、私は「周りの人にもっと親切にしよう!」と浮かんでくるのよね。「お金がない」と思っていた時は、周りの人たちから搾取される怒りと不安を抱えていたけど「そこに美しさを見出す」と唱えてみると、うつ状態から解放されて社会性を取り戻して、お金が貯まる方向へと自然と進めるようになってきます。