「美しさ」に目を向けると、なぜ楽になるのか
私は何で最悪を想像してしまうのかというと0-3歳の間に親との関係でネグレクト状態になっていて、社会的刺激を感じ取る外側手綱核のGABA受容体がダウンレギュレーションを起こしてしまったから。外側手綱核のGABA受容体がダウンレギュレーションを起こしてしまうと社会的刺激に過敏になり「世の中は安全ではない!」と認識するから「最悪を想定する」となるわけです。外側手綱核が過敏になっていると「世の中みんな敵!」という感覚になってしまうのよね。誰も尊敬できないし、信じられない、ってなっていて、いつもおどおどビクビクしてしまう。「人が信じられない」といいながらも、脳内では「右折」があったら「左折」が同時に興奮しているから「信じられない」と思いつつも、その真逆のニューロンも興奮しているので「盲信する」で信じてはいけない人を信じてしまって痛い目に合う。するとさらに「人は信じられない」というループに入って、そこから抜け出すことができなくなります。
私は子供の頃から「石橋を叩いて渡る」が大切、と思っているのですが、叩いて、迷っているうちに「石橋が壊れて渡るチャンスを失った」となっていたんですよね。もっとちゃんと表現すると「何かやる前に考えすぎてしまって疲れてやる気がなくなって、何一つ成し遂げられない」ってなっていた。これを親とか先生は「根性なし」とか「軟弱」や「優柔不断」と言っていました。でも、私は「考えているだけでやる前から疲れてしまって、やる気にならない」となっていたんです。その理由は最新の脳科学でだんだん見えてきたわけです。私が迷っているときには脳の興奮に対しての抑制が効かないから炎症が起きてしまって、その脳内の炎症物質で「疲れた」という感覚になって「やる気が起きない」になっていた。さらには、ストレスで私の鼻腔に潜伏してるヘルペスウイルスが活性化して、脳に炎症物質を発生させて「疲れた」となってしまって「何かをやる前に疲れてしまってできない」となる。
もっと面白い研究が12月2日カナダのトロント大学から発表されましたそれは「美しいと感じる時には脳のエネルギー代謝が低い」というもの(https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgaf347)。確かに、私が人の気持ちを勝手に想像して入ってしまう白昼夢(デフォルトモードネットワーク)はエネルギーの消耗が激しい、ということはわかっていたわけです。確かに白昼夢に入っているときは「美しい」というよりは「ドロドロしたものを想像している」ということの方が多いわけです。そして、美しいものの方がエネルギーの代謝が低い、ということは「ちゃんとGABAが働いているから興奮を鎮められる」となる(めちゃくちゃナラティブで書いています)。
美しいものだけを追い求めていたら、危険な場面になったらちゃんと対処ができないのでは?と思って、ずっと危険なことを想像して己の醜さと向き合ってきたわけです。でも、それをすればするほど「脳内のエネルギーは消耗していざとなったら動けない!」ってなっていた。そうなんです!私は「あれもしなきゃ、これもしなきゃ!」って最悪を想定して色々考えていたけど、それを考えるだけで疲れていたのは、脳のエネルギーの消耗が見にくいことばかり考えて激しかったから。「そこに美しさを見出す」って思いながら、美しさに注目を向けた時に「何も考えないで自然と必要に応じて行動できる」となっていて、不思議と危機を自動的に回避できるようになっていたのは、脳のエネルギーの消耗がなくて、自動的に楽しむ方向に、さらには自分を守る方に使えているから。
美しいに注目を向ければ、エネルギーの消耗が少なくなって、というエコの問題よりもGABAがちゃんと働くようになる、と思って見ると面白い。美しいものに注目をすればするほど、幼少期にダウンレギュレーションを起こしていたGABA受容体が復活して「迷わず自分の最高の選択肢を選べる」となって「最高!」ってさらに美しさを見出すことができる。そして「最高!」ってそこに美しさを見出せば、GABA受容体が復活して、さらに「最高!」の道を迷わず選ぶことができるようになり私が理想としていた姿へと変わっていきます。どんどん楽しくなって、美しい世界が見えてくる。そして、さらには自分の中にこれまで見出すことができなかった美しさを見出すことができるようになり、その姿が変わっていく。
無意識が教えてくれた「そこに美しさを見出す」という呪文にこんな効果があったんだ、と唱えるのが楽しくなってきます。